挨拶
理事長 黒岩 昭弘
 皆様とリアルな集まりを行わなくなってから半年以上経過しています.皆様,お元気でお過ごしでしょうか.これまで何かあれば集まって語り合ってきましたが,コロナ禍によって我々の生活様式はすっかり変わってしまいました.コミュニケーションの大切さ,顎咬合学とは… これまで,我々は会の運営や次の学術大会の開催について話し合ってきました.当初,本学会としてはコロナの終息を待って各事業を行うことを考えておりましたが,昨今のデジタル技術によってWebによる会議の利便性が高まりましたので,更なる学会のアクティビィティを喚起することを目的として,Webによる認定医教育研修会を開催する運びとなりました.突然のご依頼にもかかわらず,ご快諾いただいたご高名な講師の先生方に厚く御礼いたします.新しい試みなので至らぬ点はあるかもしれませんが,何とか日顎らしい研修会になるように努力しておりますので,是非,ご聴講下さい.多数の皆様のご参加をお待ちしております.





※ご入金確認後、視聴サイトのURL,IDとパスワードをご案内いたします
※オンデマンド配信となりますので、期間内であればお好きな時間に受講いただけます
※2つの講演を続けて受講する必要はありませんので、期間内にそれぞれ受講してください
※コンビニ決済の場合は後日払込票を郵送いたします
※日本歯科医師会にご所属の先生は生涯研修登録が可能ですので、お申込みの際に番号を入力してください
※お使いのパソコン環境で動画が再生可能か、必ず事前にテストページで動作確認を行ってください
動作確認テストページはこちら
水口 俊介 先生
Shunsuke Minakuchi
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 高齢者歯科学分野 教授
PROFILE
1983年 東京医科歯科大学歯学部歯学科 卒業
1987年 同大学大学院歯学研究科 修了
1989年 同大学歯学部高齢者歯科学講座 助手
2001年 同大学大学院医歯学総合研究科口腔老化制御学分野 講師
2005年 同大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野 助教授
2008年 同大学大学院医歯学総合研究科全部床義歯補綴学分野 教授
2013年 同大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野 教授
2020年 同大学歯学部附属病 院長
学会活動:
日本老年歯科医学会理事長,日本補綴歯科学会常任理事,日本咀嚼学会常任理事,日本義歯ケア学会理事,日本磁気歯科学会理事
著書:
きちんと確実にできる全部床義歯の印象(ヒョーロンパブリッシャーズ)
きちんと確実にできる全部床義歯の咬合採得(ヒョーロンパブリッシャーズ)
きちんと確実にできる全部床義歯の試適・調整(ヒョーロンパブリッシャーズ)
総義歯治療 失敗回避のためのポイント45(クインテッセンス出版)
THE SOFT LINING 〜軟質リラインの本質〜(デンタルダイヤモンド)
全部床義歯実況講義―フルマウスリコンストラクションの第一歩(デンタルダイヤモンド)
かかりつけ歯科医のための口腔機能低下症入門(デンタルダイヤモンド)

 年々高齢者の残存歯は増加している.しかしながら,寿命の延長による高齢者の絶対数の増加により義歯の需要はさほど減少していない.加えて,顎堤の吸収した全部床義歯やすれ違い咬合などの難症例の割合は増えている.義歯に与える咬合は人工歯の咬合接触だけを考えればいいわけではない.全部床義歯はやわらかい可動性の粘膜に乗っかっているため,義歯床と粘膜との間の関係が咬合関係に結び付く.さらに,全部床義歯は極論すると上下とも浮かんでいる筏のようなものであり,相互の力のバランスもきわめて重要である.部分床義歯は,残存歯と義歯床との関係や残存歯どうしの関係が重要である.咬合とはいっても単に下顎位や咬合高径,咬合様式のみを論じていれば済むわけではないのである.本研修では,全部床義歯において良好な咬合を支える義歯床の形態や安定をもたらす周囲軟組織の機煤C部分歯列欠損における支台歯との連結様式にも言及しつつ,良好な咬合を確立する手法についてお話しする.基本的な知識と技術の中に目からウロコ的な発見があると思う.いわゆる難症例についても,何か特別な術式ではなく,基本的事項の上の工夫に存在すると考えている.



村岡 秀明 先生
Hideaki Muraoka
千葉県開業
PROFILE
神奈川歯科大学卒業
1980年 むらおか歯科開業

所属:
日本歯科医師会
千葉県歯科医師会
市川市歯科医師会日本顎咬合学会
日本アンチエイジング歯科学会
大日本総義歯研究会
てんとう虫スタディグループ会

資格:
日本顎咬合学会 指導医

 総義歯をうまく作るコツをひとことで言うと「動かないようにしたら,動かさないようにしろ」ではないかと思っている.これは,「義歯が動かないような印象が採れたら,義歯を動かさないような咬合を与えろ」という意味である.まず大切なのは適当な義歯の形であるが,やはり最後の決め手は咬合が握っていると言える.その咬合とは,安定した中心位咬合と,義歯を動かさないような側方運動時の調整ということになるのだが,総義歯には,クラウンブリッジやパーシャルデンチャーやインプラントに維持を求める義歯とは違った調整時の難しさがある.それは,義歯床が粘膜面に接しているだけで,固定されていないということである.そのため,咬合採得時に床が動いてしまうこともあり,咬合調整を行おうと咬合紙をかませてみても,床が動いてしまうために,求める状態が咬合紙上に適切に印記されないということが起こる.このことが,装着後に義歯が当たると言って繰り返し来院するということにもつながっており,その解決を難しくしていることにも関係していて,その場合にはリマウントによる咬合調整が必要になってくる. 総義歯に与える咬合は,リンガライズドオクルージョンの接触関係を与えた両側性平衡咬合であるが,それを具体的にどのように与えるのか,実際の症例を交えながら解説してみたいと思っている.