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第9回指導医研修会 ご挨拶

理事長 黒岩 昭弘
 第15代2期目の日本顎咬合学会理事長を拝命しました黒岩昭弘です.よろしくお願いいたします.昨年はコロナ禍の関係から指導医研修会は中止とさせていただきましたが, 今年度はWEB開催とさせていただきます.本研修会も9回目を迎えました.指導医の先生方におかれましては日頃より日本顎咬合学会会員のご指導をいただき, 心よりお礼申し上げます.
 今年度の第38・39回学術大会・総会と6支部合同の支部学術大会もWEB配信でしたが多くの会員にご参加いただきました.このように学会活動の中にIOTがしっかり根付きました.合同支部学会も各支部の特徴を表しながら非常に濃厚な大会となり, 近年の支部の活性を実感しました.これも学会を支えていただいている指導医の先生方のご指導の賜物であると感じております.ありがとうございます.
 今年の研修会では参加資格を指導医と指導医申請資格を有する認定医に拡大しました.是非とも指導医を申請する若い先生方にもお声がけいただきますようにお願いいたします.なにとぞ指導医の先生方におかれましては後進の先生に対して歯科医療技術の伝授のみならず, 他分野との連携を図り, 今後, 社会でリーダーシップがとれる人としての知識・態度の涵養を図っていただき, 今後本会を引っ張っていく人材の育成にご協力いただきたく存じます.
 今回のテーマは「アフターコロナ時代を見据えた歯科医療を目指して」です.まず, 我々が日ごろ行っている治療の意義を再確認していただくために武内先生に「補綴治療による健康増進効果オーラルフレイルの予防」と題して補綴治療の意義を客観的に解説していただきます.次に, 花田先生には安全・安心なアフターコロナを迎えるためにこの2年間我々が遭遇したパンデミックを総括していただくことを目的に「口腔内細菌の制御による新型コロナウイルス感染症の感染と重症化の予防」についてご講演いただきます.そして住友先生には, 各分科会を統括する立場から歯科全体の現状と今後の課題を様々な方向からお話しいただきます.各分野における第一人者の先生方の講演を聴講することによって指導医の方々にはさらに見識を広めていただき, 若い会員にも伝えていただきたいと思います.今後, 日本顎咬合学会会員が歯科界のリーダーとして, 輝けるようにご尽力いただけることをお願い申し上げます.

創生革命のすゝめ

住友 雅人 (日本歯科医学会会長・日本歯科大学名誉教授)
PROFILE
1969年
日本歯科大学卒業
1973年
日本歯科大学大学院歯学研究科(歯科理工学専攻)修了
日本歯科大学口腔外科学第1講座助手
1974年
日本歯科大学歯科麻酔学教室助手
1996年
日本歯科大学歯学部共同利用研究所教授(歯科麻酔学併任)
2001年
日本歯科大学歯学部附属病院長
2008年
日本歯科大学生命歯学部長
2013年
日本歯科大学名誉教授
2021年7月現在
日本歯科医学会会長,
一般社団法人 日本歯科医学会連合理事長
 コロナウイルスによる感染症は世の中の仕組みを大きく変えた.これらさまざまな変革は進歩の加速と捉えて生活(生きる・活動する)様式の創生をしていこう.
 変革が一気に進む時期に偶然とはいえ, 日本歯科医学会は「2040年への歯科イノベーションロードマップ」を発出し, 第24回日本歯科医学会学術大会で加速度的な意味を込めて世に問うた.第24回日本歯科医学会学術大会は終了したように見えるが, 次に向けてのスタートでもある.このロードマップは高齢者人口が最も多くなると予測されている2040年に向けて, 健康寿命延伸という目的達成のために, 7年毎の道標で到達目標を示したものである.到達目標を具現化するには, それぞれの項目を細分し, 各々に方略を作成して進める必要がある.オープンイノベーションとはいえ歯科界からより具体を示すことで他分野からの参入が進む社会情勢に応じて方略の調整は必要となるが, 目的が明確であればそれぞれの目標を具現化するにはとても良い羅針盤となる.ウイズコロナ時代からアフターコロナ時代を見据えるには, それを活かすというみなさま方の意欲が他分野との新しい結合を推進する.
 日本歯科医学会にはさまざまな専門分野の分科会が加盟しているが, より専門性を追求するか, もしくは包括的な歯科医療を目指すかはそれぞれの団体の考えによる, 私の講演がその方向性を示す上でも指導医の方々のお役に立てば幸いである.

歯科補綴治療を管理栄養士とチームで行う抗加齢とフレイル予防
−咀嚼機能回復から体組成・代謝の改善を最終目標とする新補綴治療−

武内 博朗 (神奈川県御開業・武内歯科医院・鶴見大学臨床教授)
PROFILE
1987年
日本大学歯学部歯学科卒業
1991年
横浜市立大学医学研究科大学院修了(医学博士)
横浜市立大学医学部附属病院歯科口腔外科勤務(常勤職診療医)
ドイツ連邦共和国マックス・プランク研究所免疫遺伝研究部勤務 (マックス・ブランク財団研究職員)
ドイツ連邦共和国ハイデルベルク大学医学部泌尿器科学講座分子腫瘍研究部(ドイツ政府研究職員BAT(監)a)
1995年より, 横浜市立大学医学部細菌学講座非常勤講師, 国立予防衛生研 究所(現:国立感染症研究所)口腔科学部研究員(う蝕室)

1999年より, 医療法人社団武内歯科医院理事長, 日本口腔衛生学会認定医
歯科医師臨床研修指導歯科医, 歯科医師臨床研修指導歯科医
2011年より, 鶴見大学歯学部臨床教授
【歯科補綴栄養学】
歯科補綴治療は, 栄養・代謝・体組成改善の目的で, 摂食・栄養摂取環境を整えます.糖質偏重食とタンパク質 低栄養が回避出来ることで, 代謝や体組成の改善が可能になります.すなわち骨格筋量が増加すれば, 代謝性疾患, サルコペニアやフレイルの予防になります.これが人生 100年時代の新しい歯科補綴の目標と大義です.
咀嚼機能が低下した状態では, 糖質摂取量が増加する一方で, 低GI食品・タンパク質, 抗酸化物質・食物繊維, ビタミン・ミネラル群などの摂取量が低下します. 結果として, ブドウ糖負荷の増加およびタンパク質低栄養になります.このことから高血糖および HbA1cの悪化と 骨格筋量低下を招き, 糖尿病やフレイルに繋がって行きます.
それでは, “歯科補綴による健康増進効果”をどのように引き出し, 評価すべきでしょうか.咀嚼能力改善を客観 数値化した次の課題は, 歯科補綴と同時に行う, 口腔外指標の臨床検査と保健指導で体組成と代謝指標を改善します. そしてこれらを数値化して評価することです. これからは, 栄養療法における歯科補綴分野の確立が望まれています.

SARS-Cov-2の不活化技術と慢性炎症の抑制

花田 信弘 (鶴見大学名誉教授・元国立保健医療科学院口腔保健部部長)
PROFILE
歯科医師, 歯学博士
現職:鶴見大学名誉教授, 上海理工大学特任教授
1981年
九州歯科大学歯学部卒業
1885年
九州歯科大学大学院歯学研究科修了
1987年
米国ノースウェスタン大学医学部微生物・免疫学講座博士研究員
1990年
岩手医科大学歯学部助教授
1993年
国立感染症研究所口腔科学部部長
2002年
国立保健医療科学院口腔保健部部長
2008年
鶴見大学歯学部探索歯学講座教授
2021年
鶴見大学名誉教授
2021年
上海理工大学特任教授・光触媒国際研究院公衆衛生・健康医療部門長 現在に至る.
この間, 厚生労働省健康日本21計画策定委員, 内閣府新健康フロンティア 戦路賢人会議分科会委員, 内閣府消費者委員会委員. 日本歯科医学会学術研 究委員会副委員長. 現在, 一般社団法人日本健康ライフデザイン機構会長, 日本口腔感染症学会理事, 日本バイオフィルム学会理事.
 空気感染をする感染症は麻疹, 水痘, 結核である. この3つの病原体は乾燥しても感染力を失わず, 空気中を漂 い広範囲に感染を拡げる. これまで新型コロナウイルス(SARS-Cov-2) 感染症(COVID-19) は空気感染をしないとされてきた. 飛沫感染の飛沫は周囲1〜2メートルの範囲までに床に落下する. しかし, 小さな飛沫粒子は急速 に蒸発して飛沫核(5マイクロメートル以下の粒子)になり長期間空中に浮遊する(Sci Rep. 2020;10:22426). そこで, 空気中のSARS-Cov-2 の不活化技術は世界的関心事である. 近年, 日本が開発した光触媒の技術で空気中に浮遊するSARS-Cov-2 の感染性を消失させることが実証された(Matsuura R et al. Viruses. 2021;B13:942). アフターコロナ時代の脅威となっている新たな変異株や未知のウイルスを光触媒の技術を活用して克服することが期待できる.
 一方, 多くの病気が発症する背景に慢性炎症が存在している. 慢性炎症は万病の基礎疾患だと考えられる. SARS-Cov-2の感染により急性炎症が引き起こされるが, 重症化するリスク因子として歯周病などの慢性炎症巣の存在が予想される. 慢性炎症とSARS-Cov-2の感染の2つの因子が炎症性サイトカインの放出へのカスケードを動かすと考えられるので慢性炎症に対する対策も必要である.